自転車活用推進研究会


定例研究会〈自転車活用研究会〉

2002年度第3回「自転車政策の総合化と一元化について」


米自転車総合政策を研究

「自転車とクルマは車道を共用」から「クルマは車道を使わせてもらう」へ

11月20日に開かれた第3回自転車活用推進研究会では、自転車政策の総合化と一元化について討議しました。研究会では今年3月にまとめた報告書で、「自転車に関する総合政策を推進するには、現在のようなタテ割り行政ではとても対応できない」という認識のもとに、中長期的には「政府内に自転車政策を統括する専門のセクションを創設する」よう提言しています。

この日は民間都市開発推進機構研究センター研究理事の古倉宗治氏が米国における自転車政策について詳細に報告しました。クルマ大国である米国において、自転車がいかに優遇されているか、しかもそれが連邦政府の強いリーダーシップで実施されている現状は、日本とのあまりにも大きな差を感じさせました。

米国では1990年代初頭から「自転車歩行者は忘れられた交通手段」という認識のもとに、この10年で自転車政策がドラスティックに展開されました。そのひとつが各州に配置された自転車歩行者総括官(bicycle and pedestrian coordinator)です。

この総括官は自転車と歩行者に関するきわめて広範な職務権限を持っていて、交通計画はじめそのための予算管理まで統括官が一元的に担っています。道路、駐輪場の整備などのハードからニュースレターの発行というソフトまで統括官の手にまかされているのです。

また、各州の車両法(日本の道交法)では車道上において自転車とクルマは対等であり、車道を共用することが原則とされています。さらに、2001年6月に官民の広範なメンバーによってまとめられた「国家自転車安全向上戦略」によると、その目標は「クルマの運転者は自転車利用者に道路を共用させてもらうようにする」と、完全に立場を逆転させた方針を揚げています。しかも、この戦略が連邦政府の手によって公表されたということです。

こうした自転車政策の結果、自転車利用者の交通事故による死者は劇的に減少、1987年の948人が1999年には750人(2000年には690人)になり、全交通事故死者数に対する割合も1.8%にとどまっています。日本は同年は死者1,374人、割合は13.2%で、自転車利用者の死者数は統計がある国では最高。「歩道通行可」でも、この状況です。