2025年はこの4月に施行される「青切符制度」に関連するニュースが半数を占めた。投票が始まった後に大きなニュースとなったため、特に付け出しとした「自転車の交通安全教育ガイドライン最終案の公表」も青切符関連だ。自転車活用の大前提である安全への関心の高まりは歓迎だが、ルールどおりに走ることのできる通行環境の整備が遅れが招く解決不能の矛盾に気づくきっかけになったものと思われる。
まだ一般の知名度が低いVelo-cityが27年に愛媛で開催されることが決まったニュースが2位にランクされ、自転車活用推進本部長を兼任する国交大臣に金子恭之自転車議連幹事長が就任したことも3位を占めるなど、いかにも自活研らしい投票傾向と言えよう。
HONDAやシマノの新たな自転車の可能性を拓くチャレンジにも注目が集まった。政策的な重要度から見ると、政府の自転車活用推進計画が第3次になって初めて、目指す方向を明確に示す「ビジョン」を強調するようになったことには大きな意味がある。この地味なニュースを10位に置いたことは、投票に参加した方々の見識の高さをうかがわせる。
来年は大きな変革が予想される。今年はその準備を進め、変化を待ち受ける、まさに「夜明け前」を感じさせる一年であった。
特定非営利活動法人自転車活用推進研究会 理事長 小林成基
